岳人: 「高っけ――…………」
宍戸: 「見えるか、長太郎?」
鳳: 「見えますけど……さすがに真鯉か緋鯉かまではわかりませんよ、宍戸さん」
忍足: 「この非常識な距離やと、ニカウさん並の視力がないと見分けなんか無理やて」
日吉: 「ニカウさんって、誰ですか?」
忍足: 「なんや日吉、映画知らんか? ニカウさんゆうたら世界一有名なアフリカのおじさんや」
岳人: 「あー、オレ知ってる! エレファントマ○だろ?」
忍足: 「ちゃうがな、ブッシュマ○や!」
鳳: 「それにしても、どうしてこんなに高いのを立てたんでしょうね……?」
宍戸: 「知るかよ。あー、首がしびれてきやがった」
ジロ: 「……屋根よーりたーかーい、こいのぉぼーりぃー♪」
日吉: 「…………」
鳳: 「……まさか」
忍足: 「……当たりか? 樺池?」(ため息
樺池: 「ウス」
宍戸: 「バカじゃねーのか? あいつ」
岳人: 「だいたい鯉のぼりなんて、普通ベランダとかに立てるもんじゃねーのかよ?」
忍足: 「お説ごもっともやけどな岳人。この場合、あの跡部がそんなリーズナブルかつ庶民サイズな鯉のぼりの存在を知ってると思うか?
日本一、コスト意識と対極に生きてる男やで」
岳人: 「……う。まぁ、そーだけどよ」
跡部: 「――おう、お前ら、待たせたな! コート行くぞ!――って、ナニみんなして上向いて口開けてやがる」
宍戸: 「遅せーよ、跡部!」
ジロ: 「なぁなぁあとべー。あそこのあとべ鯉に泣きボクロついてるー?」
跡部: 「妙な名前付けてんじゃねーよ。いくら特注だからって、鯉のぼりに泣きボクロなんかつけるわけねーだろ、なあ樺池?」
樺池: 「………………」
跡部: 「どうした樺池」
樺池: 「…………すみません」
跡部: 「なんだと? まさかお前――!?」
樺池: 「俺が、いちばん大きいのにつけました」
跡部: 「いちばん大きいって……おい! 真鯉はお父さんだろうがっ!」
一同:(そこかよっ!?)
跡部曰く、「――節句の飾りは親がやってんに決まってんだろ。鯉のぼり?
あぁ心配んな。避雷針つきだから雷なんざ落ちねーよ」 ……とのことです(笑
2008/05/13