練習試合の朝、駅前にて
謙也:「千歳―、コッチやこっちー!」
千歳:「おはよーさん。……なんね、白石はまだ来ちょらんとや?」
謙也:「せやねん」
千歳:「金ちゃんはあそこでグルグルと何しとっとう?」
ユウジ:「それがなんやさっきからずーっとな、白石がどーのこーのてブツブツ言いながら歩き回っとんねん」
財前:「ウワサをしとったら――」
白石:「――なんや、今日は俺がドベタかいな」
金ちゃん:「しーらーいーしー!! お守りや――っ!!!」(ダッシュ体当たり
白石:「どわっ、なんや金ちゃん!?」
金ちゃん:「せやからおかんが白石に会(お)うたら絶対お守り渡さなあかンてゆーたんやっ!」
白石:「なんのこっちゃ? ん? なんや硬いなコレ。……ああ、カード入ってるやん」
謙也:「交通費と飯代やな」
小春:「でも金太郎はん、お金出すんやったらカードだけ預けてもダメやないの。暗証番号がないとあきまへんねやで」
金ちゃん:「あんしょうばんごう? そんなんワイ知らん」
謙也:「どっかに書いてきてへんのか? 手のひらとか腹とか」
金ちゃん:「もー謙也―! 服めくらんといてぇーやー!」
白石:「しゃーないな……まぁええわ。ほなちょっと俺、そこのコンビニで出してくるさかい、悪いけど待っててんか。――ほら行くで金ちゃん」
金ちゃん:「え――、ワイも――? めんどくさいし行くのいやや」
白石:「アカン。コレは金ちゃんのカードなんやから金ちゃんが自分でやるンや。やり方は俺が教えたるさかい」
金ちゃん:「え――……」
千歳:「(見送りながら)……ばってん、暗証番号がわからんとっと、どうするばいね?」
謙也:「わからん言うても金ちゃんのカードやしなぁ。多分番号はアレちゃうか」
ユウジ:「せやなぁ、生年月日と電話番号以外でイチバンわかりやすうて覚えやすいゆーたらアレしかないやろ」
銀さん:「…………うむ」(うなずく
謙也:「5518(や)て!」
小春:「5514(よん)♪」
ユウジ:「0(ゼロ)551やな」
銀さん:「5510(まる)。」
(↑ ハモる)
財前:「――センパイら、バラバラやないですか」
千歳:「…………ゴーゴーイチ?」
一同: 『豚まんか?』 (息ピッタリ
千歳:「………………」(←何も言えなくなる熊本出身者
――このあと金ちゃんはちゃんとカードでキャッシュを引き出してきました……
(終)
*注:「……そら、“551の蓬莱”の“豚まん”ゆうたら大阪人の手土産の定番や。みんな好っきやで。
あいつらかて、練習試合に完全勝利したら帰りに豚まん買(こ)うたるゆーたら絶対勝ちよるさかいなー」
(byオサムちゃん
2010/07/04